上田上堂町 湯立神事 

geniusloci2005-06-12

 堂町は龍谷の森のちょうど南側に接する集落です。堂町の南部さんの案内で若宮八幡神社で行われた「湯立祭」を見学する事が出来ました。

南部さんのお話によると、元々集落はそこから田上盆地へ降りたところにあったのですが、
1802年の大水害で集落が流され現在の場所へ移ったといいます。
この若宮八幡神社もその際にこの場所へ再建されたとのこと。厳しい自然との対峙する集落の歴史がみえてきました。その中で大いなる自然との対話として、また田植えが一段落した一時の娯楽の場として、このような農耕神事が営々と行われ、引き継がれているのですね。

 現在は、老人クラブの方々が神社のお世話などされているとのこと。
祭り当日も、突然現れた私達にも、神事で清められた魔除け・厄除けになるという笹を配りながら、効用などをお話くださり、その後はお供えの「鉄砲もち」(モチ米とうるち米でできています)までいただきました。暮らしの知恵と、食文化など生活が儀式と密接に関わっている事もとても魅力的です。

 神事の後、自治会館で南部さんのお話を「共存の森」という活動をしている学生が聞き取るというので
傍聴させてもらいました。大戸川の氾濫と集落の移転の歴史。とても実感がある話でした。